前回の続きです。
どのくらい高くなるのか、どの薬が該当するかは前回記事↓をご覧ください。
今回は、指定難病医療費助成を使用した場合にどうなるかを見ていきます
なお、前回も書きましたが、
・先発品と後発品の両方を選ぶことができる状況下で、個人的理由であえて先発品を選んだ場合のみ、自己負担が増える
・後発品のない薬は、これまでと変更なし
・副作用などの治療上の理由で先発品を使用する場合、追加料金なし
が前提となります。
2024年10月から、先発品には「特別な料金」が発生するのですが、これは保険適用外です。
ですので、この追加料金分は医療費助成の対象とはなりません。
2割負担で、自己負担上限が2万円の人が、後発品でなく先発品を選んだ場合、
・薬の2割負担の部分は、医療費助成の自己負担分にカウントされる。月の総額が自己負担額上限まで達したら自己負担でなくなる。
・追加料金(「特別な料金」+消費税)は保険適用外ですので、医療費助成の自己負担にはカウントされず、さらに月の総額が自己負担額上限に達しても、先発品の追加料金が新たに発生してもそれは支払う必要あり
となります。
普段からペンタサを選択している、という方は注意ですね。
個人的に気になったのが、医療費助成に頼っている場合、後発品の有無で自己負担額が変わってくるということです。
たとえば、月の総額がすでに自己負担額上限に達している場合に、
①先発品のペンタサ錠500mg(1日8錠)をあえて選んだ
②後発品のメサラジン錠500mg(1日8錠)を選んだ
③後発品のない、ペンタサ顆粒2000mg(1日2包)を選んだ
④後発品のない、高額なリアルダ1200mg(1日4錠)を選んだ
この4つの選択肢を比較すると、
①は自己負担額上限到達後も追加料金分は支払う必要あり
②は後発品なので自己負担額上限到達後は0円(追加料金なし)
③は後発品がないので自己負担額上限到達後は0円(追加料金なし)
④は後発品がないので自己負担額上限到達後は0円(追加料金なし)
となります。
薬価自体も治療費も④がもっとも高額なのですが、後発品がないばかりに追加料金は発生しないんですね。
もちろんリアルダとペンタサは、成分が同じでも放出成分メカニズムが異なるために別の薬と扱われるので、当然といえば当然なのですが。
同じペンタサでも、錠剤か顆粒かで自己負担額が変わるのは面白いですね。
5-ASA製剤に対して副作用もなく、かつ形状にこだわりもなければ、ペンタサ錠でもなく後発品でもなくペンタサ顆粒かリアルダを選んでおくと出費を抑えることができ、なにかと不祥事の多いジェネリックを避けることもできます。
余談ですが、ペンタサ顆粒を模したであろう「メサラジン顆粒AKP」という製品がかつて存在していましたが、出荷停止となりました。ペンタサ顆粒は比較的新しい薬ですので、このメサラジン顆粒が特許切れの後発品にあたるかは不明ですが、これが後発品にあたって存続していたならばペンタサ顆粒にも追加料金が発生していたということになります。
また、なんらかの理由で後発品が手に入らない場合、先発品に追加料金は発生しなくなります。(流通の問題など)
後発品が出荷停止になったり再出荷したりを繰り返した場合、そのたびに先発品の追加料金が発生したりしなくなったりすることになります。めんどくさいですね...
そういったレアケースをのぞき、ペンタサ錠やアサコールなどの追加料金は避けられないと思われます。
追加料金を避けたいならば、主治医に対し、先発品でないといけないと判断してもらうよう誘導するとかですかね。
これまで先発品を選んでいた方は、後発品に切り替えるのか、後発品のない薬に切り替えるのか、追加料金を払うのか...よく考えてみましょう。
以上、2回にわたり先発品の追加料金についてでした。
間違いなどございましたらご指摘いただけると幸いです。